キモ喰いのおじいちゃが作った「遠山ホルモン」 | 【ジンギスカンと天然ジビエ/肉のスズキヤ】

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キモ喰いのおじいちゃが作った「遠山ホルモン」

5月1日(日)毎月1日は【釜飯の日】だそうで。
ホルモン釜飯つくろうかな~ってことで。

おはようございます^^肉屋の女房です。
5月はワタクシ誕生日月ということで、はりきってまいります♪

 

まずは、週刊いなに掲載中の「お肉のよもやま話」から。

毎度毎度、よくもまあ、うちの旦那さん、お肉の話が尽きないもんだと感心します。

今回は、おじいちゃと遠山ホルモンの話。
若旦那のおはなし、聞いてあげてくださいませ~

 

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■「肝心」っちゅーのは、最も重要なことの意。
肝臓と心臓は、人体にとって欠くことのできないものであることが語源みたいだ。肝要とも言う。
「きもこころ」って読む場合もあって、その場合、心とか、たましい、核心って意味合いで使う。
山の肉屋の「肝心」は、レバーとハツ。いずれも、人気の部位。

 

■レバーを食べることを「肝喰い」、レバーが好きな人のことを「肝好き」なんて言うことがある。
 オラの父親は、レバーに限らず、ホルモン好きの衆を「キモ喰い」と呼んどった。
 けっこうな酒飲みだったもんで、本人もかなりの「キモ喰い」で、お酒のつまみによくしとったなー。

 まあ、肉屋として試食もかねての「キモ喰い」だったと思うが、
ホルモン内臓関係のものを独自の基準をつくって、分類しておった感じだ。
大腸・小腸・胃・血管等白い色の内臓を「白ホル」、ハツ・レバー・タン等赤い色の内臓を「赤ホル」、
ハラミ・サガリ・カシラ等筋肉質の内臓を「肉ホル」、牛の胃袋等黒い色の内臓を「黒ホル」って具合。
 そして、独自の肉理論があって、
「疲れがたまっとる衆にゃ、白いモン。血の気の薄い衆にゃ、赤いモン。
膝の弱い衆にゃ筋のモン。足腰の養生にゃスジカワ。
こういうモンを好む「キモ喰い」の衆は結局つよい」とよく言っとった(自分のことを棚に上げて)。

 

 

 

■ホルモンは「放るもん」という大阪弁から生まれたという説がある。
 ホルモンの本来の意味は、動物の体調をコントロールするための内分泌物質のことで、
 体に活力を与えそうなイメージからつけたって説もある。
語源には諸説あるからオラはホントのことはわからんけど、山肉の本場の遠山郷じゃ、
少なくとも内臓関係は「放るもん」じゃなかった。
例えば、猟師の間じゃ、内臓関係のものを「はらわた」と言った。
鹿のはらわたは食料にまわされて、特に「鹿のきも(肝臓)」は「これはうまい」と昔から言われて、
火で炙って食べとったそうだ。肝を干して、薬として用いられることもしばしば。
よく知られる熊の胆嚢も熊の胆と言って重宝がられたし、骨やスジだって骨汁にして滋養をとった。
猟師にも山の肉屋にも「山のモン」を「放る」思想はないんだと思う。

 

■オラの父親は、我流で肉屋になっていったが、猟師の衆と酒を飲むのが好きで、
おそらく、そんな時に、はらわたを食べさせてもらったりしていろんな話を聞いたんだと思う。
猟師の山々を駆け巡る頑強な骨と体や、一人で山へ分け入る精神力は「なんでも食べる」ことから
培われたのだという父親の実感が、肉屋の商売に活かされているような気がする。

 

■発想が自由過ぎて、父が度々事件を起こすたびに、家族は「度肝」を抜かれることも多かった。
 でも、今になって振返ってみると、父親の自由な言動には混迷の時代を生き抜く、
ヒントがあるような気がしとるんだに。
まあ、オラは、父親と違って、肝が小さい男かもしれんが、
伊那から肝っ玉母ちゃんをもらっちゃったもんで、肝が小さい方が家庭内が平和なんだに(笑)
肝心要の家庭を大事にしながら、オラはオラのやり方で混迷の時代を生き抜く、ぞ。

 

 

投稿日:   カテゴリ: メディア掲載 告知, ▽ブログ  タグ:   投稿者: 肉屋の女房

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