飯田線大学の一般公開ゼミナール「小さな越境が育む三遠南信の明日」レポート
こんにちは、スタッフの猪蔵です。
飯田線とその沿線エリアを盛り上げるために発足した有志グループ「飯田線大学」が、7月14日に飯田駅前の丘の上結スクエアで、一般公開ゼミナール「小さな越境が育む三遠南信の明日」を開催しました。グループとしては初めての大規模な一般公開イベントで、約30人が集まり、あまねキャリア(浜松市)代表の佐渡(さわたり)あまねさんと、ヤマサちくわ(豊橋市)専務の蔵野泰輔さんが講演を行いました。
スズキヤは「山大国連携プロジェクト」など「越境」をテーマにした地域おこしに取り組んでおり、飯田線大学への関わりもその一環です。
愛知~静岡~長野の3県をまたぐ飯田線はまさに「越境」のシンボル。
講師の佐渡あまねさんは『新時代を生き抜く越境思考』(2022年)などの著作があり、行政や企業を対象にさまざまなマネジメントを行っています。
また、ヤマサちくわの蔵野泰輔さんは信州人にも馴染み深い老舗ちくわメーカー老舗の専務として、新たな市場を切り開いてきた経験をお持ちです。
飯田線大学では今年2月のオフ会で蔵野専務と打ち合わせして以降、今回の公開ゼミナールの準備を着々と進めてきました。さらに佐渡さんには飯田線大学の「特別顧問」就任を打診し、二つ返事で引き受けてもらうことができました。
- 会場には飯田線ゆかりの品も展示
会場となった結スクエア2階の多目的ホールでは、開会に先立って飯田線大学メンバーで『飯田線ものがたり』著者の神川靖子さんが、駅弁売りに扮して試食用のヤマサちくわを全員に配布。また佐渡さんからも浜松市のメーカーが製造している「源氏パイ」が差し入れされました。
- 試食の中には市田柿入りのちくわも
- 「おせんにキャラメル、ちくわでございま~す」
司会は飯田線大学事務局の尾澤あきらさん、開会の辞はスズキヤ副社長の鈴木志保が務めました。
鈴木は「飯田線が走る3県には、静岡は「やらまいか」(やってみよう)、南信州は「あんじゃあねえ」(大丈夫)、愛知は「ええじゃないか」と、それぞれ新しいことをやろうとする精神がそろっている」と挨拶しました。
- 尾澤あきらさん
- 鈴木志保(スズキヤ)
講演に先立って、飯田市役所企画課の壬生庸佑・広域連携係長が、行政や民間による三遠南信連携事業の概要を紹介しました。
続く講演ではまず佐渡さんが、垣根を越えて新しい人と対話する「越境」と、そうして出会った人々と一緒に新しいことに挑戦する「共創」の大切さを、さまざまな事例を挙げて解説しました。
佐渡さんは、日常から離れた環境で読書や仕事を行う「読書ワーケーション」を推進しており、飯田でも読書ワーケーションができる場が増えれば、共創のきっかけになりうると述べました。
- 佐渡あまねさん
- ALTILANの永利光代表(右奥)もあいさつ
- 同社は宇宙関連のビジネス支援をしているとのこと
続いて蔵野さんが、企業の職場に冷凍庫を設置して従業員がいつでもちくわを食べられるようにする「オフィスちくわ」や、和歌山県すさみ町でとれた未利用魚を使った「カジキナゲット」など、自社の積極的な新事業について紹介しました。
ヤマサちくわの創業は西郷隆盛が生まれた年と同じ文政10年(1827)で、初代が金毘羅参りでちくわを知り、豊橋で作り始めたのが始まりとのこと。ヤマサのちくわは塩漬けになって信州まで運ばれていたそうです。
同社は現在も飯田の味噌メーカーマルマンとコラボ商品を開発したり、市田柿など南信州産の果物を自社の顧客に販売したりするなど信州との結びつきも大切にしているとのことです。
- ヤマサちくわの蔵野さん
蔵野さんは共創越境を通して地域をカラフルにしようというイベントを通じて佐渡さんと知り合い意気投合したといい、「地域外や異業種の人と接すると、自分たちが当たり前だと思っていたことをとても面白がってもらえる。それをヒントに新しいことにチャレンジしていくことが大切」と訴えました。
再びマイクを引き継いだ佐渡さんは、「飯田線の沿線には大きな魅力がたくさんあるし、特急伊那路はコメダ珈琲のように居心地がいい。自分たちの価値を自分たちだけで決めつけず、越境と共創をキーワードに、地域、コミュニティ、企業などの連携による「掛け算」で新しい価値を作り出してほしい。そのためにも、相手を尊重する気持ちと、物事を素直に面白がる感性を忘れないで」と呼びかけました。
ゼミナール終了後には、ホテルエルボンで懇親会。地域づくりに取り組んでいる者同士の情報交換・対話の大切な機会にもなりました。
飯田線大学ではこれからも、多彩な講師を招いて公開ゼミナールを開催していく予定です。

































