「お肉のよもやま話」料理で再発見!お肉の魅力、おいしい秘密 2026年5月号
週刊いな「お肉のよもやま話」2026.5月掲載。
今回は、肉野菜炒めのお話。

肉野菜炒め
オラは結婚がまあ当時としては遅かったもんで、49歳ではじめて父親になった。
子育ては体力勝負で、なんだか試行錯誤の連続だったが、女房殿と相談して、
3つばか、しつけっちゅーか、小さい頃に身に着けた方がいいなってことをやってみた。
1つは朝、仏様に進ぜるお茶をいれてお線香をたてること
2つ目は、玄関で靴を揃えること
3つ目は、ごはんを炊くこと
いま17歳だが、習慣っちゅーのは大切で、生活の一部になっているなぁと思います。
女房殿は、自分じゃあ、実家で料理とかせんかったようだが、
自分がたべるものを自分で作れることは人生の基本だから
子どもにゃあ、ごはんと汁と野菜炒めは作れるようにしておきたいと、
わりあい早いうちから包丁を持たせたりしとったな。
女房殿曰くこの3つが不通に苦も無くできれば、ほかの料理はだんだん普通にできるんだってさ。
ある料理サイトが調査したところによると、定番の自炊メニューベスト10は、
1位から挙げると、カレーライス、野菜炒め、パスタ、チャーハン、鶏の唐揚げ、ハンバーグ 、
肉じゃが、味噌汁、卵焼き、豚の生姜焼き、だそうだ。
野菜炒めと、味噌汁はランクイン。あとの8つは、自分で身につけるんだぞ、坊主。

オラの初陣(初のジンギス野菜炒め。初ジンのこと)は、中学のとき。
肉屋なんだけど当時、エノキだけを店で売っとったもんで、エノキと葉物を、一緒に炒めた。
たしか、オトウチャとオカアチャが忙しいもんで、子どもながらに作ってやろうと思ったんだな。
初めて作った肉野菜炒め。まあ、そりゃあ味付け済のジンギスだもんで旨くないはずはない。
オラの初ジンは大成功だった。
「はじめてのおつかい」っチューのがあるけど、あれみたいに、
成長の過程で迎える「はじめての料理」は「肉野菜炒め」にしてもらえるとうれしいなあ。

大人になってから調べたら、野菜炒めって世界の料理にもあるし、
料理としての成立過程はちょっとおもしろくて、簡単なんだけど意外に奥が深いと思う。
1950年代から1960年代の高度経済成長期に、普及してった野菜炒め。
ガスと電気が一般家庭の台所に出現していったころだ。
オラのとこの遠山ジンギスも1957年生まれだから、ほぼほぼ歴史が一緒。
ジンギスと野菜炒めは兄弟、同士みたいなもんだな。
オラは、いまは、いい大人で、後期高齢者だもんで、
食の好みはだいぶシブくなってきたかもしれん。
春菊とジンギス、なんて、香りの強い野菜と炒めるのがけっこう好きだし、
ジンギスのキャベツ炒めは、長らくざく切りキャベツにしとったが、
千切りにすると、これまた、同じキャベツなのに味わいが違うのに気づいたりする。
女房殿は大阪での大学時代に学生街の食堂にあった
「ガチャ焼き」っていうメニューが忘れられんみたい。
キャベツ、タマネギ、ニンジン、ピーマン。
たくさんの野菜が豚肉とともに十分な火力で炒められ、
カレー味でギュと引き締められて、生卵を落として登場。
あまりのボリュームに「食べても減らない」って感じがした
(実際には減ってるけど)とのこと。
たかが野菜炒め、されど野菜炒め。こだわりがあったり、思い出の味になったり。
オラんとこのジンギスが、そんなふうになっていくよう、願っとります。



















