めざせ、南信州のお茶復活!研究報告会&試飲交流会参加レポート
遠山をはじめとする飯田下伊那で栽培されるお茶は、JAみなみ信州のブランド「赤石銘茶」で親しまれた特産品でしたが、昨今は生産者の減少で危機に瀕しています。
そんな現状をなんとかしたい!と、南信濃の地域おこし協力隊員片山亜紀さんが「遠山おやまの楽校」プロジェクトの一環として、お茶摘みツアーなどを開催して頑張ってくれています。
9月27日には飯田短期大学助手でお茶の成分分析を行った橋爪智恵子さんの研究報告会と試飲交流会が南信濃交流センターで開かれました。
猪蔵も参加してきましたので、その様子をレポートします。
会場には南信州のお茶に関する資料展示も
司会を務めた片山さん
県外からも含め約30名が集まった
報告する橋爪先生
橋爪先生は飯田市上久堅の出身で、もとは分子細胞生物学などが専門。石川県での研究員を生活を経て2024年に飯田短期大学へ着任して食品に関する研究を行っています。
橋爪先生は下伊那農業高校の生徒からカフェインの分析を依頼されたのをきっかけに南信州産の緑茶の栄養分析に取り組み、天龍村中井侍、飯田市南信濃、同市上村下栗のお茶を静岡県掛川市産のお茶と比較しました。
結果、南信州産のお茶は静岡県産のものよりも苦味や渋味が少なく、旨味がやや強くてまろやかなコクの余韻があることが分かりました。
味の由来となりうる20種類のアミノ酸の含有量を調べたところ、苦味成分であるカテキンの量は南信州産の方が有意に少なく、また旨味成分であるテアニンの量もやや少ないことがわかりました。わずかな差とは言え、南信州産のお茶の方が旨味が強い理由については、今後も調べていく必要があるとのことでした。
休憩後は、試飲会に先立って片山さんが南信州産のお茶を使った商品開発の歴史を概説。昭和50年代に「あぶら取り紙」、平成時代に南アルプスの紅茶「うまいんだに」や「信州玉露」などが開発・生産されてきたことを説明しました。
続いて、お待ちかねの試飲会です。南信濃と掛川市の浅蒸し茶を、同じ条件で淹れて飲み比べました。80℃のお湯で淹れた1煎目と、100℃で淹れた2煎目とでもそれぞれ味の違いを確かめました。またお茶請けにノエル洋菓子店の煎茶クッキーや天龍村のNPO法人「ツメモガキ」の緑茶スノーボールクッキーなどもふるまわれました。
試飲会は日本茶アドバイザーの遠山美緒さん(スズキヤ勤務)が進行役を務めました。
色が薄い左側が南信濃産、濃い右側が掛川産のお茶。上が煎茶クッキーです。
参加者の中にはお茶の生産者や下伊那農業高校の先生などその道の専門家も多く、皆さんは自己紹介を兼ねながら試飲の感想についてコメント。総じてやはり南信濃産はさっぱりとして苦み・渋みが少なく旨味が持続すること、掛川産のお茶は香りも旨味も濃い一方で、とくに2煎目になると渋味や苦味が強く出るとの声が寄せられました。
味の違いの要因には土作りや栽培環境、製茶工程などさまざまなものがあり、遠山美緒さんは「どちらがいい悪いではなく、それぞれの個性だと受け止めてほしい」と総括しました。
続いて静岡県産の高級水出し茶の試飲も行われました。
「どっちが掛川産でどっちが南信濃産か分かる?」
最後に、南信濃のお茶農家の第一人者の1人、遠山智之利さんがお茶生産の現状について報告。JAが取り扱う南信州産のお茶の量はピーク時の10分の1まで落ち込んでおり、生産者の高齢化だけでなくお茶の木も多くが樹齢50年を迎えて衰えが目立ち、対策が求められていると訴えました。
遠山美緒さんは
「橋爪先生の報告で、お茶にはとても多くの旨味成分が含まれていることを知ることができました。お茶は古くから南信州の文化に根づいてきたもの。今回の交流を機に、手を取り合ってお茶で明日を作っていきましょう」と呼びかけました。

































